「30歳前後でワーホリを考えているけれど、踏み出せない」。
大学卒業して間もない時期でも悩むのに、ましてギリホリの年齢になってしまうと年齢のことや、キャリアのこと、お金のことなど、たくさんの不安があると思います。
というわけで今回は、ギリホリ年齢でワーホリをしようとしている人のために準備から帰国後までのステップをまとめてお伝えします。
かくいう私も、30歳のときにカナダワーホリを行ったギリホリ経験者です。
30歳だったからこそ見えてきたものもあるため、あきらめずに新しい選択肢を見つけていきましょう。
- 【STEP1】ギリホリの基礎知識を得よう
- 【STEP2】ギリホリをする人たちの理由を知ろう
- 【STEP3】30代だからできるギリホリのメリットを理解しよう
- 【STEP4】結局ワーホリをしたほうがいいの?ギリホリの判断軸を参考にしよう
- 【STEP5】ギリホリ成功の土台作り【英語力編】
- 【STEP6】ギリホリ成功の土台作り【お金編】
- 【STEP7】滞在中のギリホリリアルを知って後悔を避けよう
- 【STEP8】帰国後の現実的な選択肢
- 【まとめ】迷えるあなたは「ギリホリ」を諦めますか?
【STEP1】ギリホリの基礎知識を得よう
まずは一般知識を身につけましょう。
「ギリホリ」とは、「(年齢)ギリギリ」で「ワーキングホリデー」を行う人のこと。
年齢でいうと、20代後半から30歳のことを指します。
正式な用語ではありませんが、ワーホリコミュニティでは広く使われている表現です。
あなたがちょうどその年齢になっているのであれば、「まだ間に合うのかな」「準備は十分できるのかな」そんな疑問にも答えていきますね。
ここで重要なポイントがあります。ビザの申請さえ31歳になる前に完了していれば、実際の渡航は31歳を過ぎてからでもOKなんです。
30歳目前の申請期限と準備のタイミング
「準備期間が短すぎて間に合わないのでは?」と不安になってしまう人の気持ちもわかります。
理想的には1年程度の準備期間があると望ましいですね。でも、実際にはもっと短い期間でも渡航は可能です。
20代のワーホリとの大きな違い
20代と30代では、同じワーホリでも見える景色が大きく異なります。
それは単に年齢の違いだけではなく、社会人経験や人生経験の差が生む独自の視点があるからです。
20代前半向けには、こちらの記事も参考にしてください。
「30代で現地の仕事は見つかるの?」と不安になる人もいるようですが、海外ではあまりあなたの年齢を理由に何か言われることは少ないです。
あと、日本人は結構若く見えることが多いので、年齢よりも考え方や立ち振る舞い、英語力などをみられていると考えましょう。
【STEP2】ギリホリをする人たちの理由を知ろう
次は、なぜアラサー世代がギリホリをするのか知っておきましょう。
少しでも共感できる部分があれば、あなたもワーホリをしてよかった、と思える人生を歩むことになるでしょう。
ギリホリを決意する背景には、様々な思いが隠れています。ここからは、実際によく聞かれる心の声を見ていきましょう。
私自身の思いはこちらに執筆してあります。
何か新しいことを始めたい願望
「このまま今の生活を続けていていいのだろうか」
多くのギリホリ経験者が、この漠然とした不安から行動を起こしています。
それは必ずしもネガティブな理由ではありません。新しい可能性を探りたい、人生の選択肢を広げたい、という前向きな気持ちの表れでもあるのです。
自己肯定感の低さからくるもの
日本での仕事や生活に一定の成果を上げながらも、どこか自信が持てない。そんな気持ちを抱えている方も少なくありません。
しかし、これも重要な気づきの機会かもしれません。というのも、環境を変えることで、自分の新しい一面を発見できる可能性が広がるからです。
このままでいいのかという漠然とした不安
30代という年齢は、人生の転換期でもあります。周りとの比較や社会的な期待に押しつぶされそうになることもありますよね。
この不安こそが、あなたの人生の転機になるわけです。ワーホリをすると、以下のような変化が生まれますよ。
【STEP3】30代だからできるギリホリのメリットを理解しよう
「若いうちに行くべきだった」そんな後ろ向きな考えは、もう必要ありません。
30代だからこそのメリットが、たくさんあるんです。
ここからは、あなたの「強み」となる要素を具体的に見ていきましょう。
安定した資金力は心のゆとりにつながる
20代のワーホリと最も異なる点が、この「資金面」です。余裕を持った資金計画が立てられることで、精神的な余裕にもつながります。
「とにかく働かないと」というプレッシャーから解放されることで、より充実したワーホリ生活を送れるのです。
ワーホリをお金稼ぎのために考える人がいますが、ワーホリのメリットって、そこじゃないと思うんですよね。
ワーホリはなんでもできるビザ。30代の強みを活かせる生活スタイルを見ていきましょう。
円滑な人間関係構築力を発揮できる
社会人経験で培った「人と関わる力」は、海外でも大きな武器となります。特に以下のような場面で効果を発揮します。
知っておきたい現実的な課題
メリットがある一方で、直面する可能性のある課題にも目を向けておく必要があります。ただし、これらは「克服できない壁」ではなく、「準備で対応できる課題」として捉えましょう。
最も多く聞かれる不安が、「帰国後」についてです。これについては、最後にもまとめておきますが、ポイントは「帰国後」を見据えた活動を意識的に行うことです。
また、語学学校やシェアハウスでは、20代前半の学生が多数派となることも。
いっそ、若い世代から最新のトレンドを学ぶ勢いで生活しましょう。
【STEP4】結局ワーホリをしたほうがいいの?ギリホリの判断軸を参考にしよう
ここまで見てきた一般知識をふまえて、結局自分はワーホリをしたほうがいいの?と思っていることでしょう。
そこで、国家資格キャリアコンサルタントも所有している筆者が、6つの軸を用意しました。ゆっくり考えてみてください。
[関連記事] 30歳のワーホリに対して「やめとけ」と言ってくる声は気にしなくていい
最も重要なのは、「後悔」という観点です。
上記に加えて、次の二つの質問を自分に問いかけてみてください。
- 「行かなかった場合の後悔」と「行って失敗した場合の後悔」どちらが大きいか
- 「今」このタイミングを逃すことへの後悔はないか
これらをふまえて私がカウンセリングをするとしたら、以下のように判断をします。
みんなワーホリをすればいいと思います。でも、始める時期が異なるというのがポイントです。
ただし、以下の場合は慎重な検討が必要です。
- 現在の仕事で重要なキャリアの節目にある
- 家族の健康状態など、国内での支援が必要
- 借金や住宅ローンなど、固定費の支払いがある
【STEP5】ギリホリ成功の土台作り【英語力編】
ここからは、具体的な準備について詳しく見ていきましょう。
特に重要なのが、渡航1年前からの計画的な準備です。
時間がない方は、優先順位をつけて効率的に進めていきましょう。
1年前からの戦略的準備
理想的な準備期間は1年ですが、実際にはもっと短い期間でも可能です。ここでは、期間別の準備プランをご紹介します。
きちんと準備をしないと、詰みますよ。
[関連記事] 留学で言葉の壁にぶつかったら?話せない辛さを乗り越える心構え
ちなみに私は、考えて動くタイプなのでこのようなステップを推奨しています。
今からでも間に合う英語力向上
「英語に自信がない」これはギリホリ予定者の大多数が抱える不安です。しかし、30代には30代なりの効率的な学習方法があります。
重要なのは「完璧を目指さない」ことです。
渡航前に必要なのはどんな英語ですか?「この場面で話せる英語力」を身につけられれば、まずは英語の目標クリアです。
TOEICについては、受験必須ではないです。なぜなら、ビジネス英語と日常英語は異なるからです。でもまぁメールのやり取りの勉強などにはためになると思いますよ。
[関連記事]
【現役語学教師が解説】ワーホリの英語力はTOEIC何点あれば十分?知っておくべき本当の話
【STEP6】ギリホリ成功の土台作り【お金編】
次はお金の問題です。
30代ならではの強みを活かした、現実的な貯金計画を立てましょう。
必要資金をリアルに試算しよう
貯金のコツは「見える化」と「自動化」です。専用の口座を開設し、給料日に自動振替を設定しましょう。
一気にお金を貯めたいい人の最終手段
お金をためることにそこまで時間をかけられないよ。という人には一発逆転プランが2つあります。
ただし、生活スタイルの大きな変更が必要になるため、慎重な検討が必要です。
[詳しく読みたい]シェアハウスに向いていない人の特徴と失敗しない物件選びのコツ
リゾートバイトは、ワーホリ準備金を短期間で貯められる上、貴重な経験も得られます。
さらに、これらの経験は予想以上の価値があります。
- 新しい出会いや人脈形成のチャンス
- ワーホリ経験者との情報交換
- 実際のワーホリ先での仕事探しに活かせる経験
- 生活環境の変化への適応力向上
[詳しく読みたい]
【STEP7】滞在中のギリホリリアルを知って後悔を避けよう
実際のギリホリ経験者たちは、どのような経験を経て、何を得たのでしょうか。
残念ながら、ワーホリへ行けば受け身状態でも何かが変わるはず!と思っていたら、後に残るのは後悔だけです。
[詳しく読みたい]
ワーホリ中の過ごし方で、帰国後の満足度は大きく変わってきます。とりわけギリホリは、「もう二度とない機会」という意識が強いからこそ、滞在中の行動が重要になってきます。
「せっかく来たのに」「もっと○○すれば良かった」という後悔を避けるためにも、先輩ギリホリたちのリアルな経験から学んでみましょう。
年齢が高めのワーホリだからこそ、目的意識を持って行動できるのが強みです。
ここでは、行動パターン別の結果をご紹介します。
パターン1:積極的に行動したケース
30代ならではの強みを活かし、計画的に行動したケースです。
社会人経験で培った「目標設定力」や「時間管理能力」を存分に活用し、限られた時間を有効活用しています。
特筆すべきは、はじめから「帰国後」を見据えた行動を取れている点です。
若いワーホリ生との大きな違いとして、「とりあえず海外生活」ではなく「目的を持った海外生活」を送れていることが挙げられます。
具体的な行動例:
- 語学学校に3ヶ月通学
- 週末はイベントに参加
- 現地のビジネスセミナーに積極参加
- 興味のある企業にアポイントを取って訪問
- 多国籍なシェアハウスでの共同生活
パターン2:行動が消極的だったケース
「まずは様子見」「慣れてからでも」という思考が、結果として貴重な時間を消費してしまうケースです。
特にギリホリの場合、年齢的なプレッシャーから、かえって消極的になってしまう傾向も見られます。「若い子たちについていけるだろうか」「今さら基礎英語から学び直すのは...」といった不安が、行動の足かせとなってしまいがちです。
しかし、これは杞憂に終わることがほとんど。むしろ、30代だからこその落ち着きや経験が、周囲から求められるケースも多いのです。
よくある行動パターン:
- 日本人経営の飲食店でのアルバイトのみ
- 日本人だけのシェアハウスに滞在
- 休日は日本人友達と過ごす
- SNSで日本の情報ばかりチェック
- 英語学習を後回しにする
これらを回避するために、ワーホリ成功のカギは「最初の3ヶ月」にあります。
なんとなくワーホリにきてみた…という人でも、その答えが見えるのは行動した先です。
最初の3ヶ月でやるべきこと
期間 | やるべきこと |
---|---|
Week 1-4 |
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Week 5-8 |
|
Week 9-12 |
|
※この表は一般的な例です。
そして、見えてきた答えがあるならば、1年ずっとワーホリをする必要だってないんですよ。
【STEP8】帰国後の現実的な選択肢
ワーホリ後の人生は、決して不安に思う必要はありません。
ワーホリ滞在期間に何を思い行動してきたか?それによって、30代だからこそ選べる、多様なキャリアパスが待っています。
ここでは、実現可能な選択肢を具体的に見ていきましょう。
日本でもう一度頑張り直す
帰国後の転職市場では、とにかく焦らないことが大切です。
やりがちなのが、ワーホリという側面だけを話すこと。
ワーホリ前後のストーリーを意識して仕事を見つけましょうね。
詳しくは、以下の記事に書いています。
[併せて読みたい]
海外生活の継続を目指す
ワーホリ経験を通じて、より長期的な海外生活を考える方も少なくありません。その場合の具体的なステップを見ていきましょう。
学生ビザへの転換方法
学生ビザへの切り替えを考える場合は、ワーホリ期間中から準備を始めることが重要です。特に以下の点に注意しましょう。
- 入学願書の提出時期
- 必要な語学スコア
- 財政証明の準備
永住権取得への現実的なステップ
永住権取得は簡単な道のりではありませんが、計画的に進めれば決して不可能ではありません。
現実的な時間軸としては、永住権取得まで最低でも4-5年はかかると考えましょう。その間の生活費や学費なども含めた長期的な資金計画が必要です。
【まとめ】迷えるあなたは「ギリホリ」を諦めますか?
お疲れさまでした。ここまで読んでくださったということは、きっとまだ迷いがあるのではないでしょうか。
各記事の詳細も読みつつ、最後に、ギリホリを選択する意味について、改めて考えてみましょう。
ワーホリ年齢制限で見ると、ギリホリって最高年齢です。
でも、一般社会で見たらあなたは大人だけれどもまだまだ可能性に満ち溢れています。
私は30歳でワーホリをして、本当に本当によかったです。
ギリホリは、決して「最後のチャンス」ではありません。